はじめてのスマホ家計管理:アプリで収入と支出を把握しよう
お金の管理は、将来の安心した生活を送るための大切な一歩です。特に、収入を得始めたばかりの20代前半の方や、これから一人暮らしを始める学生の方にとっては、自分のお金がどう動いているのかを把握することが非常に重要になります。
「お金をどう使っているかよく分からない」「いつの間にかお金がなくなっている」といった漠然とした不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。そこでおすすめしたいのが、スマートフォンアプリを使ったお金の管理、いわゆる「スマホ家計簿」です。
この記事では、スマホ家計簿アプリを使って、手軽に自分のお金を見える化する方法について、初心者の方にも分かりやすく解説します。
なぜお金の管理が大切なのでしょうか?
お金の管理と聞くと、「難しそう」「面倒くさい」と感じる方もいるかもしれません。しかし、お金の管理は、家計の健康診断のようなものです。収入がいくらあり、何にいくら使っているのかを把握することで、無駄遣いを減らしたり、将来のために貯蓄を始めたりするための具体的な道筋が見えてきます。
- 現状把握: 自分が毎月どれくらいの収入を得て、何にどれくらい支出しているかを正確に知ることができます。
- 無駄の発見: 「何に使ったか分からないお金」や、意識していなかった固定費など、見直せるポイントが見つかります。
- 目標設定と達成: 貯金や投資など、お金に関する目標を設定し、達成するための計画を立てやすくなります。
- 将来への準備: 結婚、住宅購入、老後資金など、将来必要になるであろう資金について、早い段階から意識して準備を進めることができます。
このように、お金の管理は、今を賢く過ごすためだけでなく、将来の安心につながる基盤を作るために不可欠な習慣と言えます。
スマホ家計簿アプリとは?
スマホ家計簿アプリは、文字通りスマートフォンを使って日々の収入や支出を記録し、管理できるツールです。かつて手書きのノートでつけていた家計簿を、より便利に、より手軽に行えるようにしたものです。
主な機能としては、以下のようなものがあります。
- 収入・支出の記録: 日々の買い物の金額や給料などを入力します。
- 自動連携: 銀行口座やクレジットカード、電子マネーなどと連携し、入出金履歴を自動で取り込むことができます。(対応しているアプリや金融機関によります)
- レシート撮影: レシートをスマートフォンのカメラで撮影するだけで、品目や金額を自動で読み取ってくれる機能を持つアプリもあります。
- 費目分類: 記録した支出を「食費」「交通費」「通信費」などのカテゴリ(費目と呼びます)に自動または手動で分類します。
- 集計・分析: 月ごとの収入と支出の合計を計算したり、費目ごとの支出割合をグラフで表示したりしてくれます。
はじめての家計簿アプリ選び方
たくさんの家計簿アプリがありますが、はじめて使う方にとっては、どのアプリを選べば良いか迷ってしまうかもしれません。選ぶ際のポイントをいくつかご紹介します。
- 使いやすさ: アプリの画面が見やすいか、入力が簡単かなど、直感的に操作できるかが重要です。無料のアプリでも、いくつか試してみて自分に合うものを見つけるのがおすすめです。
- 機能:
- 自動連携機能: 普段使っている銀行やクレジットカード、電子マネーなどと連携できるかを確認しましょう。この機能があると、入力の手間が大幅に省けます。
- レシート読み取り機能: 手入力が多い場合、この機能があると便利です。
- 費目のカスタマイズ: 自分の支出に合わせて費目の名前を変えたり、新しい費目を追加したりできると、より詳細な分析が可能です。
- 無料か有料か: 多くのアプリには無料版と有料版があります。まずは無料版で試してみて、必要に応じて有料版にアップグレードするか検討しましょう。有料版では、連携できる口座数が増えたり、詳細な分析機能が使えたりすることが多いです。
- セキュリティ: 大切なお金の情報を扱うため、アプリのセキュリティ対策がしっかりしているかどうかも確認しておきましょう。アプリを提供している会社の信頼性や、データの取り扱い方針などを調べてみてください。
まずは、自動連携機能がある無料アプリから試してみるのが、はじめての方にはおすすめです。
家計簿アプリの基本的な使い方
アプリを選んだら、実際に使ってみましょう。基本的なステップは以下の通りです。
ステップ1:アプリをインストールして登録する
選んだアプリをApp StoreやGoogle Playからダウンロードし、指示に従ってアカウントを作成します。
ステップ2:金融機関との連携を設定する(任意)
自動連携機能を使いたい場合は、普段利用している銀行口座、クレジットカード、電子マネーなどの情報を登録します。アプリの案内に従って、各金融機関のログイン情報を入力することで連携が完了します。
ステップ3:収入や支出を記録する
- 自動連携を利用する場合: 連携した口座やカードの利用履歴が自動的にアプリに取り込まれます。表示された履歴が正しいか確認し、必要であれば費目を修正します。
- 手入力やレシート撮影を利用する場合: 買い物をしたら、その場でアプリを立ち上げて金額と費目を入力するか、レシートを撮影します。毎日の習慣にすると忘れにくいです。
ステップ4:費目を設定する
記録した支出を分類するための費目を設定します。アプリによっては最初から多くの費目が用意されていますが、「食費」「交通費」「趣味・娯楽」「通信費」「家賃(または住居費)」など、まずは自分が把握したい基本的な費目から始めるのがおすすめです。細かく分けすぎると入力が面倒になりやすいので、最初はざっくりと分類してみましょう。
ステップ5:定期的に振り返る
1週間ごと、または1ヶ月ごとに、アプリが集計したデータを確認してみましょう。
- 「今月は食費にいくら使ったか」「交際費が予算を超えていないか」などをグラフやリストで確認できます。(下の図のようなイメージです)
- 振り返ることで、自分の支出の傾向や、どこに無駄が多いのかが見えてきます。
アプリ活用のメリットとデメリット
スマホ家計簿アプリを活用する上でのメリットとデメリットを理解しておきましょう。
メリット
- 手軽で続けやすい: スマートフォンでいつでもどこでも記録や確認ができます。
- 自動化で手間が省ける: 金融機関との連携機能を使えば、多くの記録が自動で行われます。
- お金を見える化できる: 収入や支出の合計、費目ごとの内訳などが自動で集計され、グラフなどで分かりやすく表示されます。自分の家計の状態が一目で把握できます。
- 分析機能: 過去のデータと比較したり、予算を設定して管理したりするなど、詳細な分析ができるアプリもあります。
デメリット
- 手入力の手間: 自動連携できない支出(現金払いなど)は手入力が必要です。これを面倒に感じて続かなくなる人もいます。
- 連携エラーの可能性: 金融機関側のシステム変更などで、一時的に自動連携ができなくなる場合があります。
- 有料機能: より便利な機能を使うためには、月額料金がかかる場合があります。
- セキュリティへの配慮: ログイン情報の管理など、情報漏洩には注意が必要です。
アプリを活用して、さらにステップアップ
家計簿アプリでお金の流れが見えるようになったら、次のステップに進んでみましょう。
- 予算を立ててみる: 過去の支出データを参考に、食費は〇〇円、交際費は〇〇円のように、費目ごとに1ヶ月の予算を設定してみます。予算内におさまっているかを確認しながら過ごすことで、計画的にお金を使えるようになります。
- 無駄遣いを減らす: グラフや集計結果を見て、「これは必要なかったな」と思う支出があれば、来月は減らすように意識してみましょう。小さな意識から節約は始まります。
- 貯金目標を設定する: 毎月いくら貯めるかを決め、家計簿アプリで進捗を管理します。目標達成が見える化されると、モチベーションを維持しやすくなります。
まとめ
はじめてお金の管理をする方にとって、スマホ家計簿アプリは非常に強力なツールです。日々の収入と支出を記録し、見える化することで、漠然としたお金への不安が減り、具体的な行動につながるようになります。
まずは無料のアプリを試してみて、日々の記録を始めてみましょう。完璧を目指す必要はありません。まずは1ヶ月、続けてみることからスタートです。自分のお金の流れを把握することは、将来の夢や目標を実現するための確かな一歩になるはずです。
この記事が、あなたがスマホを使ったお金の管理を始めるきっかけとなれば幸いです。