はじめてのお金の教科書

はじめてのお金の使い方:自分にとっての「価値」を見つける

Tags: お金の使い方, 価値観, 家計管理, 節約, 消費・投資

はじめに:なぜお金の使い方を考えることが大切なのでしょうか?

お金は私たちの生活に欠かせないものです。しかし、「何となく使っている」「お金が貯まらない」「将来が不安」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。お金の使い方は、単に物を買うことだけではなく、自分の時間や経験、人間関係にも影響を与えます。

特に20代前半の皆さまにとって、これからの人生でお金とどのように向き合うかは、将来の豊かさを左右する大切なテーマです。賢くお金を使うことは、節約するだけでなく、自分にとって本当に大切なことにお金を使えるようになり、日々の満足度を高めることにもつながります。

この記事では、はじめてお金の使い方について考える方が、自分にとっての「価値」を見つけ、その価値観に基づいたお金の使い方を実践するための基本的なステップをやさしく解説します。

お金の使い方を考えることのメリット

お金の使い方を意識的に考えることで、どんないいことがあるのでしょうか。いくつかご紹介します。

ステップ1:現状のお金の使い方を振り返る

まず、自分が今、何にお金を使っているのかを知ることから始めましょう。これは家計管理の第一歩でもあります。

  1. お金の流れを記録する: 収入と支出を記録します。手書きのノートでも構いませんが、最近ではスマートフォンアプリを使うと、銀行口座やクレジットカードと連携して自動的に記録してくれるものも多く便利です。例えば、以下の図のように、食費、交通費、交際費、趣味など、項目ごとに分けて記録すると分かりやすいでしょう。(ここでは図は表示していませんが、後日掲載予定です)
  2. 1ヶ月間の支出を確認する: 1ヶ月分の記録が集まったら、それぞれの項目にいくら使ったかを見てみましょう。想像していたよりも使っていた項目や、「これは何に使ったお金だろう?」と思うような支出が見つかるかもしれません。

この振り返りを通して、自分のお金の使い方にどんな傾向があるのかを把握することが大切です。

ステップ2:使って「よかったお金」「後悔したお金」を考える

次に、ステップ1で見えた支出をさらに掘り下げて考えてみます。

  1. 「このお金、いい使い方だったな」と感じる支出を探す: 例えば、友人と語り合った食事、学びのために購入した本や講座、体調管理のための費用、趣味の活動に使ったお金など、使った後に心が満たされたり、自分の成長につながったりしたお金の使い方を思い出してみましょう。
  2. 「これに使わなければよかったな」と感じる支出を探す: 一方で、なんとなく買ってしまった物、付き合いで参加したものの楽しめなかったイベント、衝動的に契約したものの使っていないサービスなど、使った後に「もったいなかった」「別に必要なかった」と感じるお金の使い方を思い出してみましょう。

このように具体的な支出を振り返ることで、自分にとって何が大切で、何がそうでないのかが見えてきます。

ステップ3:自分にとって大切な「価値」を見つける

ステップ2で考えた「よかったお金」の使い方には、あなたにとって大切な何か(「価値」)が隠されています。

このように、「よかったお金」から、自分が人生で大切にしたいこと、満たされたいこと、応援したいことなどを言葉にしてみましょう。これが、あなただけのお金に対する「価値観」のヒントになります。

お金の使い道は、大きく分けて「消費(日々の生活に必要な支出)」「浪費(無駄な支出)」「投資(将来のために生かす支出)」に分類されることがあります。しかし、何が「浪費」で何が「投資」かは、人それぞれの価値観によって変わります。例えば、ある人にとっては単なる「浪費」に見える趣味への出費も、その人にとっては心の栄養であり、日々の活力につながる大切な「投資」なのかもしれません。大切なのは、世間の常識に囚われすぎず、自分自身の価値観を基準に考えることです。

ステップ4:価値観に基づき、お金の使い方に優先順位をつける

自分にとって大切な価値観が見えてきたら、次はお金の使い方に優先順位をつけましょう。

  1. 大切な価値観にお金を配分する: ステップ3で見つけた価値観に関わる支出には、意識的に予算を allocation(割り当て)ることを検討します。
  2. そうでない支出を見直す: 自分にとってあまり価値を感じない、あるいは「後悔したお金」に繋がることが多い支出については、減らせないか見直してみましょう。固定費(家賃、通信費、サブスクリプションなど)から見直すと効果が大きい場合があります。
  3. 予算を立てる: 1ヶ月や1年間など期間を決めて、それぞれの項目に使える金額の目安を設定します。これは「予算管理」と呼ばれ、お金を計画的に使うための有効な方法です。例えば、「学びのためには月に〇円」「趣味には月に〇円」のように決めます。この時、ステップ1で把握した現状の支出額と、見直した優先順位を参考に予算を決めると現実的です。

このステップを通して、漠然とお金を使うのではなく、「自分にとって大切なこと」に意識的にお金を使うようにシフトしていくことができます。

お金の使い方を継続するためのヒント

新しいお金の使い方を習慣にするのは、最初は少し難しいかもしれません。いくつか継続のヒントをご紹介します。

まとめ

はじめてお金の使い方について深く考えることは、自分自身と向き合うことでもあります。単に節約するだけでなく、何にお金を使うかを選ぶことは、「自分にとって何が大切か」を選び取ることに他なりません。

この記事でご紹介したステップを参考に、ぜひ今日から自分のお金の使い方を振り返り、自分にとっての「価値」を見つけてみてください。そして、見つけた価値観に基づいたお金の使い方を少しずつでも実践してみてください。

賢くお金を使うスキルは、これからの皆さまの人生をより豊かにするための、きっと役に立つ力となるはずです。