はじめての給料日後のお金の使い方計画
お金に関する不安を抱えている皆さんの中には、「給料が入っても、気がついたらあっという間になくなっている」「どうしたら貯金できるようになるのだろう」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。特に、お金の管理に慣れていないと、給料日が来るたびにどう使えば良いか迷ってしまうこともあるでしょう。
この記事では、給料日を起点として、手元のお金を計画的に使うための基本的なステップをご紹介します。お金の流れを把握し、賢く管理することで、漠然とした不安を減らし、将来のための貯金や投資に繋げる第一歩を踏み出しましょう。
なぜ給料日後すぐにお金がなくなる?計画の重要性
給料が入った直後は、お金がある安心感からつい気が大きくなってしまったり、具体的な使い道を考えていなかったりすることが多いものです。欲しいものを衝動的に買ってしまったり、目的なく使ってしまったりすることで、次の給料日までにお金が足りなくなる、あるいは貯金に回す分がなくなってしまうという状況が起こりやすくなります。
計画的にお金を使うことは、単に支出を抑えるだけでなく、自分の大切にしたいことにお金を使えるようにするためにも重要です。給料日後の最初のアクションが、その後の1ヶ月間のお金の使い方を大きく左右します。
給料日後すぐに行いたい5つのステップ
では、給料日に入ったお金をどのように管理していけば良いのでしょうか。ここでは、実践しやすい5つのステップをご紹介します。
ステップ1:手取り収入を正確に把握する
まず最初に行うべきことは、実際に手元に入ってくる「手取り収入」の金額を正確に確認することです。給与明細書を確認し、総支給額から税金や社会保険料などが差し引かれた最終的な金額を把握します。
- 手取り収入とは: 会社から支払われる給与総額から、所得税、住民税、社会保険料(健康保険、厚生年金、雇用保険など)が差し引かれた、実際に銀行口座に振り込まれる金額のことです。この手取り額が、皆さんが自由に使えるお金の元手となります。
自分が1ヶ月に使えるお金の正確なスタート地点を知ることが、全ての計画の基本となります。
ステップ2:毎月必ずかかるお金(固定費)を確認・確保する
手取り収入が把握できたら、次に毎月必ず支払う必要がある「固定費」を確認します。家賃、通信費(スマホ、インターネット)、サブスクリプションサービス利用料、保険料、奨学金返済など、金額や支払日が決まっている支出がこれにあたります。
これらの固定費の合計額を確認し、給料が入ったらすぐに引き落とし口座に残しておくか、別の口座に移すなどして確保しておきましょう。支払いが遅れたり、残高不足になったりすることを防ぐことができます。可能であれば、固定費の支払いは給料日直後に設定しておくと管理しやすくなります。
- 固定費とは: 毎月または一定期間ごとに、ほぼ決まった金額がかかる費用のことです。家賃や保険料などが代表例です。
- 変動費とは: 月によって金額が変わる費用のことです。食費、交際費、娯楽費などがこれにあたります。家計を見直す際は、まず固定費から見直すのが効果的と言われます。
ステップ3:貯金や投資に回す分を先に分ける(先取り貯金)
家賃や通信費といった必須の固定費を確保したら、次に将来のための貯金や投資に回す分のお金を分けましょう。これは「先取り貯金」と呼ばれる方法で、残ったお金で生活する意識が身につくため、非常におすすめです。
例えば、「手取り収入の10%を貯金に回す」と決めたら、給料が入ったらすぐにその金額を貯金専用の口座に移します。もし可能であれば、銀行の自動積立定期預金などを活用すると、手間なく自動的に貯金できます。
将来の目標(旅行、車の購入、住宅資金、老後資金など)に応じて、貯金だけでなくiDeCoやつみたてNISAといった資産運用に回す分を先に分けておくことも検討できます。
- 先取り貯金: 収入が入ったら、生活費などに使う前に、あらかじめ決めた金額を貯金や投資に回す方法です。確実にお金を貯める効果的な方法の一つです。
ステップ4:残ったお金を変動費として予算分けする
固定費と貯金・投資分を分けた後に残ったお金が、1ヶ月間で自由に使える変動費の上限額となります。この金額の中で、食費、日用品費、交際費、趣味・娯楽費、交通費などをやりくりすることになります。
変動費は項目ごとに細かく予算を決めることもできますし、「食費と日用品で〇万円」「その他すべてで〇万円」のように大まかに決めることもできます。ご自身の性格や生活スタイルに合わせて、管理しやすい方法を選びましょう。
予算内でやりくりするための工夫としては、以下の点が挙げられます。
- お金を見える化する: 家計簿アプリを使ったり、支出を項目ごとにノートに記録したりして、何にどれだけお金を使っているか把握します。
- 使うお金の優先順位を決める: 衝動買いを防ぎ、本当に必要なものや価値を感じるものにお金を使えるようになります。
- お金を物理的に分ける: 可能であれば、食費、交際費など、項目別に封筒に入れたり、電子マネーのチャージを分けたりするなど、目で見て分かりやすく管理する方法も有効です。(将来的に図解が入る想定)
ステップ5:定期的に計画と支出状況をチェックする
計画を立てるだけでなく、実行できているか、計画通りにお金を使えているかを定期的にチェックすることが重要です。週に一度、または月に一度、予算内でやりくりできているか、無駄な支出はなかったかなどを振り返ります。
もし予算を超えてしまいがちな項目があれば、原因を分析し、翌月以降の予算や使い方を見直します。計画は一度立てたら終わりではなく、継続的に見直し、改善していくことで、より効果的なお金の管理ができるようになります。
まとめ:給料日を「お金を管理する日」にしよう
給料日を単にお金が入ってくる日としてではなく、「自分のお金を計画的に管理し、将来のために振り分ける日」として捉え直すことで、お金との向き合い方が変わります。
この記事でご紹介した5つのステップは、はじめてお金の管理を始める方でも取り組みやすい基本的な方法です。
- 手取り収入を把握する
- 固定費を確保する
- 貯金や投資分を先に分ける(先取り貯金)
- 残ったお金を変動費として予算分けする
- 定期的に計画と支出状況をチェックする
これらのステップを習慣にすることで、お金に対する漠然とした不安が減り、自分の力でお金をコントロールできているという自信に繋がるでしょう。まずは今月の給料日から、できることから一つずつ始めてみませんか。